ドメーヌ モン DOMAINE MONT  (北海道余市町)

ドメーヌモンはドメーヌタカヒコの曽我貴彦氏の下で2年間(2014~2016)栽培と醸造を研修した山中敦生(ヤマナカアツオ)氏が2016年春から独立し、北海道余市郡余市町登町の標高50m前後に位置する約3ha(栽培面積は1.5ha、5,000本)の畑でピノグリのみを栽培する小さな農園兼醸造所です。

畑のある場所は15年以上耕作放棄されていたので白樺や松などが生え、森と化していました。そこをチェーンソーで1本1本切り倒し、枝を払い、運び出し抜根して整地しました。
畑は日当たりの良い東向きの傾斜地で、水はけも良く、長年使われていなかったので農薬や除草剤、化学肥料などは残留しておらず、ミミズをはじめテントウ虫やクモ、バッタ、蟻など多様な生物が多く生息している畑です。
傾斜地の畑の上部からは日本海とヒロツヴィンヤードが一望できる壮観な景色で、日の出から陽が差し込み、風通しも良い恵まれた環境です。

また除草剤、化学肥料、化学農薬を使わない栽培や、醸造において乾燥酵母は使わずに野生の酵母で発酵させたり、亜硫酸やポンプの使用を極力減らしたりと、なるべくワインに負荷をかけずに造るといった思想は規模が小さければ小さいほど色濃く反映し、「農」と「人」を感じられる自然なワインが造れると考えています。

ドメーヌモンはそのようなワイン造りを目指しています。


余市町
余市町は北海道の日本海側に突き出た積丹半島の付け根の北緯43度に位置する漁業と農業(特に果樹産業)が盛んな地です。果樹栽培が明治初期から試みられていた歴史ある産地です。また縄文時代の遺跡が数多くみられ、古くから人が定住していたとされています。
海に面しているため北海道の中では比較的温暖な気候で、栽培期間中の昼夜の寒暖差が大きく、降水量の比較的少ない場所です。夏季にお天道様に温められた海水のおかげで早霜のリスクも少なく、また日本海側に位置している為、冬の積雪量が安定しており、葡萄の樹が雪の布団をかぶり厳寒を越すことができる世界のワイン産地の中でも稀な恵まれた気象条件を持つエリアです。
有効積算温度は1,227℃(1997年~2006年 10年間の平均値)で、ブルゴーニュ地方北部やアルザス地方、ラインガウ地方と同等の積算温度です。

登町
登町は余市の中でも果樹(特にワイ ン用葡萄)の栽培が盛んな地区です。登町にはドメーヌタカヒコ、 中井観光農園、木村農園、 ヒ ロツヴィンヤード、 安芸農園、藤澤農園、 ドメーヌアツシス ズキ、 キャ メ ルファーム、 三氣の辺、 登醸造、 のぼりんファーム、リタファーム&ワイナリ ーなど全国的に有名な農園が軒を連ねています。
2015 年からは海の日の前日 (2015 年は8月19日、 20 16 年は8月17日) にLa Fete des Vignerons a Yoichiという普段は一般開放しないワイン葡萄栽培農家さんが農園を開放し、 その畑でとれた葡萄で醸造したワインをその畑で振舞うというお祭りイベントを開催している地区でもあります。


プロフィール
 茨城県古河市の出身ですが、早稲田大学在学中にスノーボードの魅力に取りつかれ、2000年、スノーボードインストラクターの資格取得をきっかけに北海道内のスキー場でインストラクターとして働き始めます。
スノーボードスクールに所属していましたが、スキーのインストラクターの方の多くは春から秋まで地元で農家をし、積雪のために仕事ができない時期限定の、季節労働という特殊な仕事としてインストラクターをされていました。
北海道という過酷な気象条件の中で活き活きとされて人生を楽しんでいる先輩方に憧れ、自分も北海道に永住し農家になりたいと考えるようになります。ただ、新規就農となると様々な障害を乗り越えなければならず、また北海道では主流の大規模農業ではなく、小規模で個性を出した農業をしたいと考えていたので答えを見出せずにいました。
そんな中、シーズンオフの春から秋の仕事として、派遣でリゾート地のレストランで働いていた際、ワインを扱うレストランに配属されたことをきっかけにワインに傾倒していきます。
ソムリエの資格を取得し、畑ごとに違うワインの特性にますます興味をいだき、自分で葡萄を栽培したいとまで考えるようになりました。醸造学など学んでいないので、初めは自分の栽培した葡萄を委託してワインにできればと考えていたのですが、色々な縁からドメーヌタカヒコの曽我貴彦氏の元で研修できることになり、2年間の研修を経て、小さな醸造所を持つ農家として2016年に独立することができました。
独立することがゴールではなくスタートなので、自分らしく、北海道の四季を存分に楽しみながら、人一倍自然と共に歩める農家としてワインを表現できたらと考えております。


社名の由来
1. モン (Mont) は自分の名字である山中の「山」を意味しています。
2. ワインボトルのエチケットに山中家の家紋がデザインされています。 家紋の「 モ ン」を意味しています。
3. ド メ ーヌタカヒコ で研修していたので曽我貴彦の門を出たと いう 「モン」 を意味しています。


家紋のデザイン
山中家の家紋は「丸に三つ茶の実」です。実家は祖父の山中福松が起業した日本茶の小売業を営んでおり、父の雅ーが現在も経営しております。自分はそこの長男として生まれました。小さい頃から日本茶に慣れ親しんでいたので、香りの複雑さと味の織細さ、また旨味、余領というものを人一倍体感できる環境で育ちま した。 ワイ ンの世界に足を踏み入れたのも山中家に生まれたおかげだと 感謝し、自分のルーツを表したく家紋にアレンジを加えてDema ine Montのロゴにいたしました。

赤は太陽を、青は水を、緑は大地をイメージしております。

デザインしたのは友人でもある、 北海道喜茂別にあるオーガニ ックファームGreen Noiseの岡崎哲也さんです。
岡崎哲也さんプロフィール
"米国シア ト ルにて集合住宅などの建築設計に携わった後、2012年に帰国。羊蹄山麓の喜茂別町にて農業を始める。 現在、 オーガニックファームグリーンノイズとして野菜の有機栽培に挑戦するかたわら、 建築計画のプロジェクトマネジメ ントや住宅改修の設計、ブランドロゴ/パッケージデザインなどの創作活動も開始する。



化学展薬、化学肥料、除草剤の使用や、大型機械の導入は確かに作業効率を高めてくれますが、農家としての大切な感性を奪ってしまう と 感じています。非効率かもしれませんが、できるだけ自分の足で畑を歩きまわり作業することにより発見できることや感じること、そういうことを大切にし、自然の摂理に即した栽培を念頭に管理していくつもりです。
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