マンスース MANSUS [店長厳選アイテム]

MANSUS(マンス―ス)
リージョン:ヴィパーバ谷、ブルリエ Brje
創業:1513年
畑:10ha 
補糖なし
天然酵母

500年の伝統に支えられる信念
 
創業から500年以上もの長きに渡り、MANSUSは代々ワイン業を営んできました。
スロヴェニアの3つのワインリージョンのうち西部のプリモルスカ地方、ブルリエ村(Brje)に拠点を置きます。
イタリアのトリエステからおよそ100km離れた国境の村で、東西に走るヴィパーバ谷の中央部にワイナリーは位置しています。

そんな歴史あるMANSUSを仕切るのは、ブルリエ生まれ、ブルリエ育ちの、当主ボクダム マコベッツ(Bogdan Makovec)です。
彼は生粋のブルリエチャン(Brjecan)です。
(地名の後の“canチャン”はスロヴェニア語でその土地の者や物の事で、例えば江戸っ子、パリジャン、パリジェンヌのような意味合い)ワイナリー名であるMANSUSは、彼らのファミリーネームであるマコベッツ(Makovec)とラテン語で「ぶどう木、ぶどう、ワイン」を繋いだ言葉から派生しています。

伝統とモダンが入り混じる昨今、それらはワイン造りにも反映されます。
しかしボグダムは最新悦の機械や技術ではなく、むしろ畑(ぶどう木と土壌)に対する愛情や向き合い方、または太陽などの自然が大切だと語ります。
畑と人間に配慮した農法、天然酵母の使用、昔ながらの製法を頑なに守り抜きます。
人間は最低限のことを行えば、後は自然が全てやってくれるという理念を通じて、テロワールとぶどう本来の味を具現化します。

MANSUSの手掛けるワインは2つのタイプに分かれます。
1つ目はフレッシュなタイプ。
2つ目はアカシア、チェリー、オーク樽で熟成されたクラッシックなタイプです。
両方とも"The old way wines"と呼び、人為的介入を一切しない古い方法で造られています。
特に赤ワインのように果皮ごと醸造を施した白ワイン(オレンジワイン)を得意とし、それらはスロヴェニアでは”After old wine”と言われています。
昔の醸造技術をリスペクトし現在に戻そうという試みです。
醸す時間が長期に渡ったワインは、天然のコルク栓を用い、ワインは長く瓶内で生き続けます。
今日MANSUSのワインは、国内外から高い賞美を得ています。


クラルニツァの復活に人生かけた男
 
「クラルニツァ」(Klarnica)は、スロヴェニアの土着品種の中でも、とても古く珍しい品種です。
ぶどうの名は16世紀に実在したKlaraクララという名の美女に由来します。
彼女は住み家を囲むように、このぶどうの木を庭に植えました。
近所の人達のせんさく好きな目から逃れるために、あるいは数えきれない求婚者から身を隠すためにです。
このようにしてクララの植えたぶどうは、クラルニツァとして知られるようになりました。

1523年の初頭にはクラルニツァに関する古い記述が残っています。
かつてはプリモルスカ地方で広く普及していた品種でしたが、単独用ではなくブレンド用として使われていました。
その後、外来品種の登場でクラルニツァは殆どの畑から姿を消しました。
「何とかしてクラルニツァを後世に残したい!」そんな想いからボグダムは、絶滅の危機から救うべく多大な苦労を背負いました。
畑での10年の努力が実を結び、彼の育てたクラルニツァは国から正当な品種として認められました。
最初のボトリングは1996年に行われました。
彼はクラルニツァに再びスポットライトを浴びせ、その価値を引き出すことに成功します。
また、現在はクラルニツァと同様に希少な土着品種「ピネラ」の振興にも取組んでいます。

クラルニツァは絶滅しかけただけあって、全世界で作付け面積が3ha(300m×300m)しかありません。
MANSUSの他にもう数社しか所有していない極めて稀な品種です。
ヴィパヴーバ谷が原産でゴリシカブルダ(Goriška brda)やクラス(Kras)でも少しばかり栽培されています。
遅熟なので収穫は11月に入ってから、あるいは天候により、もっと遅い時期に摘まれます。
MANSUSのクラルニツァの平均樹齢は40年です。
うどんこ病に弱く非常にデリケートな品種のため、栽培が難しいと言われています。
ぶどうの果皮が厚いのが特徴で、灰色カビ病(黒ぶどうに発生すると病気とみなされますが、白ぶどうに発生すると貴腐ワインに欠かせないボトリティスシネリア菌となります)のおかげで上質な甘口ワインにもなります。
(その場合の収穫時期は翌3月)

ぶどうの色は黄味がかったグリーン、ワインの色は赤のアクセントを帯びたアンティークゴールド。
熟成ものや甘口は茶褐色です。
MANSUSではアカシア、チェリー、オーク樽を使用して熟成されます。
アプリコット、黄桃、黄りんご、オレンジピールなどのフルーツバスケット、そしてドライさの中にはちみつと檜と干草の香りが複雑に漂います。
暖かさと熟したタンニン、香りの余韻も長く続きます。
クラルニツァはワイン通ですら、おそらく初めて経験する味わいです。
ぜひお試し下さい。
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